副社長の一目惚れフィアンセ
その日の夕方、またもや黒岩さんが現れた。

さすが副社長秘書だけあって、部屋に入ってきた瞬間から他の男性社員とはオーラが違う。

この人は背が高く姿勢もいいから、遠くから歩いてくるその様はモデルさんのようだ。

メガネの向こうの顔立ちも随分整っているように見える。

「お疲れ様です、明里さん。
今日は副社長からの呼び出しではありません。
副社長は今お忙しいので、代わりに僕が説明させていただきます」

彼はそう言って、応接室に私を連れて行った。

黒岩さんの説明によると、結婚披露宴は大々的なものになるようで準備にかなり時間を割かれるらしい。

年度末までに挙式を、というのが社長の望みで、それに合わせて入籍をする。

そして…





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