副社長の一目惚れフィアンセ
「そうなの?それすごくない?」

サンドイッチを頬張りながら、くぐもった声で言うのは同期の香澄(かすみ)だ。

香澄は同じ総務課の中の人事係で働いている。

お昼休憩の時間は彼女と一緒にラウンジへ行ってランチすることが多い。

「副社長ってイケメンって有名じゃん。イケメンだった?」

「あんまり見てないよ。一瞬だったし」

なーんだ、と香澄はつまらなそうに息を吐き、またサンドイッチを口に押し込む。

驚いていてそれどころじゃなかったけど、言われてみればかっこよかったような気もする…

香澄に洗脳されてるのかな。

いや、でもかっこよさは関係ない。

謝らなかったことが気がかりで、おにぎりを目の前にして食欲も出ない。


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