副社長の一目惚れフィアンセ
私もいつの間にか、うとうとしてまた眠ってしまったらしい。

ナオの息遣いが変わって目が覚めた。

隣では万歳をして伸びをしているナオがいる。

そのあと、はあっと力を抜いたナオは、私に目を向けて微笑んだ。

「おはよう」

「おはよう」

軽いキスをくれながらも、なかなか起き上がれない私たちはずっとベッドの上でゴロゴロしてしていた。


結局、起きて朝ご飯兼昼ご飯を食べたのは11時過ぎ。

そのあと、新しくできたビルにウインドウショッピングをしに行くことになった。


車で20分。オープンしたばかりのビルは人で溢れていた。

日本初出店のブランド服のお店や飲食店もあるから、混むのは当然のことだ。

駐車場に停めるのにも一苦労で、警備員さんも大混乱を起こしているようだった。

ナオはきっと、本来こういう人の多い場所は好きじゃない。

休みは家でまったりしていたいタイプだと思う。

だけど、私がこの前『日本初出店のアイスのお店、行ってみたいなあ』なんてチラシをみながらポツリと漏らしたから連れてきてくれたんだろう。

だけどそのお店も一時間待ちで、さすがに並ぶ気にはなれなかった。



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