冷酷な騎士団長が手放してくれません
「兵士の数? 言われてみれば、確かにそうですね」


アーニャも、興味津々な様子で窓の外を見やる。


リアムの言うように、町のあちらこちらには、兵士の姿が見受けられた。朱色の外套には、ロイセン王国のシンボルである獅子の紋章が光っている。


腰からは剣が下げられ、中にはまるで今すぐにでも戦地に赴くかのように、鎖帷子まで装着している兵士もいた。





「ハイネル公国との関係が、また悪化しているらしいわ。お父様が先日までリエーヌにいらっしゃっていたのも、政治的な話し合いのためとお聞きしたもの」


ソフィアは、眉根を寄せる。


十年前のテロだけではない。幸いリルべは無事だが、ハイネル公国側の組織はロイセン王国内のあらゆる場所で、テロを繰り返している。


先日も、ロイセン王国とハイネル公国の辺境で、大規模な爆発事件があったと聞いた。


この事態を鎮めようと、ついにロイセン王国側が動きを見せたのだ。







「おそらく、戦争になるのも時間の問題でしょう。ハイネル公国は公爵が交代したばかりで、情勢が不安定です。攻め入るなら、今しかない」


「戦争……。まあ、恐ろしいわ」


リアムの言葉に、アーニャがソフィアの隣で身震いした。


ソフィアも不安を覚えつつ、窓の向こうに再び目を向けた。
< 35 / 191 >

この作品をシェア

pagetop