恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
翔の、紅葉のような、ぽちゃぽちゃした手を見ながら、そのうち、私が抱っこしなくても、翔は自分で届くようになるんだよねと、母親としての感慨に、しばしふけった。

「ママも?」
「そうね・・うん」

どれにしようかな。喉が渇いているけど、おなかも空いてる。
結局お昼、食べ損ねたから・・・。

「つめたい」コーナーと、「あたたかい」コーナーにずらりと並んでいるドリンク類を見ながら、結局、温かいコーンスープに決めた私は、そこのボタンを押した。

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