恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「もしもし?お母さん?私、湖都です・・あ、名前言わなくても分かる?って。そだね・・・うん。あのね、これからそっちに行ってもいいかな・・・・・・・うん。やっと決心ついたから・・・うん。ありがと。じゃあ、駅に着くころに、また電話するね」
スマホを切った私は、翔の目線に合わせるようにしゃがんだ。
そして、翔の二の腕あたりに両手をそっと置いた。
「翔。今からママのおばあちゃんちに行こ」
「でんしゃにのるの?」
「そうよ」
「わーい!」
何も事情を知らない3歳の翔は、大好きな電車に乗ることと、大好きな祖母(私の母)に会えること、両方がいっぺんにできることに、とても喜んでいる。
でも・・今はこれでいい。今は。
私は、自分の分のサインと捺印を済ませた離婚届と、壮介さん宛の置手紙を食卓の上に置くと、翔と一緒に家を出た。
翔の幼稚園の制服と、バッグ等の幼稚園グッズは、持って行かなかった。
スマホを切った私は、翔の目線に合わせるようにしゃがんだ。
そして、翔の二の腕あたりに両手をそっと置いた。
「翔。今からママのおばあちゃんちに行こ」
「でんしゃにのるの?」
「そうよ」
「わーい!」
何も事情を知らない3歳の翔は、大好きな電車に乗ることと、大好きな祖母(私の母)に会えること、両方がいっぺんにできることに、とても喜んでいる。
でも・・今はこれでいい。今は。
私は、自分の分のサインと捺印を済ませた離婚届と、壮介さん宛の置手紙を食卓の上に置くと、翔と一緒に家を出た。
翔の幼稚園の制服と、バッグ等の幼稚園グッズは、持って行かなかった。