恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
岸川さんは一刻も早く、事務の人を雇いたがっていた様子だった。
現事務の土井さんが、あと数週間で長崎に引っ越してしまうから、その前までには決めたい、というより「決めなきゃいけない」と焦ってたみたいだったし。

・・・あのとき岸川さんは、一旦自分の本業に没頭したらそれ以外のことは見えなくなる、みたいなこと言ってた。
事務の人は、彼のズボラ化を防止するための監視役も兼ねてるのだろうけど・・その“監視役”がいなかったら・・・と思ったら、岸川さんのことが気の毒になってきた。

『週2日か3日来てもらえれば、俺は救われる』

そして岸川さんを「救う」のは・・・私、しかいない・・・?

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