恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「さいご」の独壇場(卯佐美壮介視点)
翔のやつ、公共の道端で思いきり泣きやがって!
もし誰かに見られたら、手を繋いでいた自分が泣かせたと思われる。
そう思った俺は、わざと手を緩めた。
いい加減に泣き止め、という意味を込めて。
そして、涙で濡れてしまった顔をキレイに拭くんだという意味も含めて。

すると翔は、あいつのところへ一目散に駆けて行った。
まるで俺から逃げるように。
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