恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
そのくせ私が今、ぼんやり思っているのは「警察署に一人で来たのも、遺体安置所に入ったのは初めてだな」なんだから―――。

きっと、あまりにもショックが大きすぎるせいで、心が現実逃避を始めているのかもしれない。
だって・・・壮介さんの姿を目の当たりにしても、こんなことが起こったなんて、まだ信じられないから。
目の前にあるこの遺体が、壮介さんであると「分かっている」のに、壮介さんであることが・・・やっぱり、信じられない。
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