恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
翌朝、岸川さんは私を母の家まで送ってくれた。
(忘れてたけど)世間は3連休の初日で、岸川さんも仕事休みだから、長野まで一緒に行って色々と手伝うと申し出てくれたけれど、私は申し出を辞退した。

「ヘンな噂を立てられかもしれないから。もう長野には住まないし、壮介さんの会社の人たちとか、そのほかの“関係者”とも、葬儀が終わった後、会うことはないでしょうけど・・でも、岸川さんがそういう、“好奇の目”で見られるかもしれないのが嫌なんです」と私が言うと、岸川さんは渋々「分かったよ」と言った。

「じゃあ俺は家に帰るよ」
「送ってくれてありがとうございました」
「なんかあったら連絡すること。いいな?」
「はい」
「それから・・・」と岸川さんは言いながら、私に顔を近づけた。

おかげで私の胸がドキッと高鳴る。
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