恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「ありがとう、お姉ちゃん」
「いいっていいって。それに私はもうイヤリングつけないし・・・さ。湖都ちゃん。時間よ。行ってらっしゃい」
「うん」
「それから、あんたはまだ未成年なんだから、お酒は飲んじゃダメよ。食べることに徹しなさい!」
「分かってる」
「たぶん私は今日、ここには帰らないから・・・」
「え?なんで?」
「デートだって言ったでしょ」
「あぁ・・・」

いくら恋愛に疎い私でも、姉が言いたことは想像がついた。

「湖都ちゃんも朝帰りして構わないわよ」
「ちょーっと!私は最初っからそんなことしないもん!」
「はいはい。うちの鍵は持ってるわね?」
「うん。持ってる」
「とにかく、楽しんでくるのよ。でも羽目は外し過ぎないこと。分かった?」
「・・・うん!」

こうして私は、姉にセッティングされた合コンに、人生初の参加をして・・・岸川さんに会うことになる。
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