僕の彼女はかわいい
そうか。彼女は優しいから、優しすぎるから、僕に別れを切り出せないんだ。

はじめは彼女からだった。おわりくらいは男の僕が言わないと。


「ごめんね新山さん。今朝はかわいいなんていって。僕に言われてもうれしくないよね。付き合ってたこともなかったことにしていいから!ごめんね。」

精一杯の笑顔を作って言った。
でも最後に少しだけ、僕の気持ちを言わせて。


「新山さんはどうだったかわからないけど、僕は新山さんのこと大好きだよ。」


そう言いながら彼女の顔を見ると



…彼女は大きな目にいっぱい涙をためていた。


「えっ!!どっ、え!?」

驚きのあまり変な声が出てしまった僕を彼女は睨んだ。


「バカバカバカ!!孝太郎くんのバカ!!!なんでそんなことになっちゃたのよ!」


そう言いながら僕の胸をたたく新山さん。


「えっ!だって僕のことが気持ち悪すぎて目も合わせたくなかったんでしょ?」


僕がそう言うと涙でいっぱいの目で僕を見上げた。


「そんなわけないじゃん!かわいいって言ってほしくてしたの!髪!じゃあ孝太郎くんがさらっとかわいいって言うから、うれしすぎて恥ずかしくて目も合わせられなかったの!!」





……だめだにやけてしまう。






「それなのに!付き合うのなかったことにしていいよとか!わたしも大好きだよって昨日も言ったよね!?…ってなんで笑ってるの!私は真剣だよ!?」


うん。わかってるよ。だからかわいくて仕方ないんだ。

「ごめんね。勝手に決めちゃって、なかったことになんてしないで。大好きだよ。かわいすぎて笑っちゃたんだ」

もう隠さない。自分の思ったこと正直に全部言うんだ。


「…~っ!もう!!ほんとだめ!そういうのだめ!」

顔を真っ赤にしていう彼女がかわいすぎて思わずいじわるをしてしまう。

「どうして?かわいいからかわいいって言ってるんだよ?かわいいね」


そういうと顔を真っ赤にして怒る彼女が僕は大好きだ。


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