マリッジコンプレックス
憂鬱な日



「はぁ……」


ため息が出るのはいつものこと。


28歳の誕生日を迎えてから、いいことなんか一つもない。


仕事も恋愛も散々だ。


加えて、実家のゴタゴタも続いたから、目も当てられない。


28にもなって実家暮らしをしている時点で、文句を言える筋合いではないんだけれど……




「どうしたの?元気ないじゃん、希美」



先輩である秋絵さんが、不思議そうに私の顔を覗きこんだ。


「どっかにいい男、転がってないですかねぇ」


「いない、いない

いたら、私が拾ってるから」


嬉しそうな笑顔で自慢げに胸を張る秋絵さんは、私より2つ年上の30歳。

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