それでも好きだから。
それでも好きだから。
高校卒業まで…あと1ヶ月か。


今日で登校日は終わり。
明日からは自宅学習期間に入る。


推薦で大学進学が決まった私——葉山 華恋(はやま かれん)は、明日からバイトの日々を送る予定。


「華恋。卒業式の日、先生に伝えるの?」

「え?」

「好きなんでしょ? 遠山先生のこと」


クラス担任である遠山先生は、私の初恋の人。

初めての感情でよくわからない部分もあったけど、恋だってわかってからは、意識しすぎて先生の顔をちゃんと見れなくなっていた。


「伝えたほうがいいのかなぁ」

「言わないで後悔するより、言ったほうがいいと思う!」

「そうなのかなぁ…」


親友の りりあは、優柔不断な私の背中をいつも優しく押してくれる。


「お前ら、まだいたの?」

「せ、先生!?」

< 1 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop