サクラサク~恋の蕾、花が咲く時。~
第5章 お菓子

季節は
あっという間に
バレンタインデー…。



昨日がんばって作った
クッキーとトリュフ。



今日は
バレンタインデーで
友達と交換するんだっ



「はい、ゆりな。」


「あ~っ。ありがと~
はい、これ。七海の分」


「ありがと~っ。
ゆりなの作ったクッキー
なんか美味しそ~っ!
早速食べていいっ?」



「どうぞ、どうぞ」



「じゃあ、いただきまぁす」


「ど、どう?」


「やばい…。
美味しすぎる~っ笑
えっ、このクッキーって
作ったやつだよね?」



「うんっ。もちろん!」



「ゆりな、すごいね~っ
このソフトな口当たりは
クッキーの中でこれが
一番好きかも~っ笑」



「いやいや、
それは、おおげさでしょ」


「いや、真面目に。
こんな美味しいの作れれば
将来いいお嫁さんに
なれるよ。」



「七海ってば、
そんなに褒めても
何も出ないよ?」



「あっ。ところで
男子には、あげるの?」

また
ずいぶんと突然な…。



「あげたいけど…
勇気がない」



「そっかぁ。…ん?」



「どうかしたの?」



「ゆりな、
もしかして
好きな人いるのっ!?」



「七海、声が大きいって…」



「いやいや、
だってそれ初耳だよ!?」



「言ってなかったから
そりゃあね」



「なんでもっと早く
教えてくれなかったの!」



「タイミングが
わかんなくて」



「まぁどうであれ、
あたし、応援するよっ!」



「あ、ありがと。
けどこんな私じゃ…
きっとむりだよ」


「どこが
むりなのさ?」



「外見から中身まで全部」



「そんなことないってば」




「私、片思いでいい。
その人を陰から
見るだけでいい。」



「ん、そっかぁ。
じゃあ、誰なのかだけ教えてよ」



「…久也くん」



「なるほどね、
まぁそうは言っても
がんばれよ!」



「七海もね?」



「えっ、な、なんのこと?」


「七海は
優真くんのことが
好きなんでしょ?」



「なんで知ってるの!?
あたし、それ
いつしゃべった?!」



「え?今。
いつも優真くんのこと
ばっかり見てるから
今、かまかけしてみた」



「なっ!?
小悪魔め~っ。
見かけによらず
小悪魔なのね…」



「んふふ。まぁね」


こんなかんじで
高1のバレンタインデーは
終わりました…。

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