朱に触れればもう手遅れ
 


ああ、息が詰まりそう。
この空間にも、私を締め付ける着物にも。


「少し、外の空気を吸って参ります」

私の声に、両親は笑顔で頷いた。
相手側の方も私の顔を見て穏やかに微笑んだ。

私はそれを見て安心して外に行こうとすると、威圧的な視線を感じる。


私はそれに気付かないふりをして、この閉鎖された空間から抜けだした。



私の家は明治から続く財閥である。
血筋を遡ると宮家に辿り着くことから、宮財閥と呼ばれているらしい。


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