凍り付いた恋心なら、この唇で溶かそう。
恋は儚いからこそ美しい

「あんた、彼ともうすぐ入籍するって言ってたよね。大丈夫?あいつ、浮気してるよ」


春の暖かな陽射しが照る昼下がりのカフェ。

残量がマグカップの半分以下となった、冷めきったミルクティーを片手に私は他人事のように友人の言葉を聞いていた。


「そうなの?」

「あんまりこういうこと言いたくないけど、結婚直前で浮気する男なんかやめておきなよ」


証拠と言って見せられたスマートフォン。

画面には清楚で可愛らしい服を着た、私なんかより一回り近く若いであろう女の子の横顔と、彼女に寄り添うように笑っている男がラブホテルに入る直前の画像だった。

どちらの顔にも確かに見覚えがあって、けれど大してショックも受けずに私は深く息を吐いた。


< 1 / 27 >

この作品をシェア

pagetop