桜の約束
教室に戻った。

もう夕方で、部活生以外はみんな帰ってるから、
教室には誰もいない。

私と亮は黙ったまま近くの席に前と後ろで座る。

亮は悲しげな顔をしている。

『亮。もう何を言いたいか、わかってるよね。』

亮の手はピクっと動いた。

『私何度も言ってるよね。今回で何度目かな。』

もうお分かりだろう。
この男、浮気の常習犯。
さっきのだって、たまたま居合わせたんじゃない。
今までの彼の行動で大体の行動は読めての事。

『・・・ごめん、もうしない。』

重たい口を開けて俯いたまま話す亮。

『それも何回目?聞き飽きた。』

私の気持ちはほぼ決心に近い。

『ほんとに!マジでしないから!』

急に目の前で手を合わせ、懇願してきた。
やめてよ、決心が鈍るじゃない。

今にも泣きそうな顔。
今までこんな態度してこなかっただけに、
また許そうとしている私がいる。
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