彩―IRODORI―
高校に入ってすぐ、コウキは野球部に入ってしまったので、帰宅部を選んだあたしとは、また一緒に帰ることが出来なくなってしまった。
でも、チャコがいつもいてくれるから、寂しさはほんの少しだけだった。

チャコには、コウキが彼氏だと紹介した。

「羨ましいなぁ。私も彼氏欲しいなぁ」

なんて言うけど、チャコもその気になればすぐに彼氏なんて出来ると思う。
あたしから見ても、チャコは魅力的だから。

すらりとした体型で、つやつやとした黒髪、整った顔立ちと理知的な目元。
それに、話をしていても、チャコは頭がいいと思う。
あたしが気付かないことまで気付いてくれている。

「恋バナ、どんどん聞かせてね! 参考にするから」

あたしは、その言葉に甘えてどんどんコウキとのことを話していた。
チャコはコウキとあたしの関係を、

「理想のカップル」

なんて言ってくれていた。
理想の女の子にそう言ってもらえるのは、すごく嬉しい。
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