彩―IRODORI―
「高坂。今日、日直だろ? 悪いけど、オレ、用事あるから先帰っていい?」
「いいよ。どしたの? なんの用事?」
「呼び出された」
「誰に?」
「女」

同じクラスの土井くんは、バスケ部のルーキーだった。
バスケ部だけあって、身長も高く、鼻筋の通ったイケメン。
だから女子から人気だけど、決まった相手がいるんじゃないかって噂だから、あんまり告白したっていう女子はいないみたい。

呼び出されたってことは、告白かな?
日直を投げ出してまで行くってことは、本気なのかな?

土井くんの後姿を見送りながら、呼び出した女子が気になっていた。
誰、っていうことじゃなく。

「日直の仕事を放り出すなんて」

ちょっと、寂しかった。
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