彩―IRODORI―
授業がもうじき始まるからって、コウキは帰って行った。

「ねえ、最近アヤ、コウキ君に冷たくない?」
「べっつに~。まあ、コウキが最近ちょっとウザったいかな~なんて」
「なんで? ケンカでもした?」
「ん、まあそんなとこかな」

まさかチャコに、アレがよろしくない、だなんて言えるわけがない。

「チャコも気をつけなよ。男が出来たとき、なんでも相談乗るから」
「ん、じゃー百戦錬磨のアヤにすがることにするよ」

チャコはニカッと白い歯を見せて笑った。

何も知らないチャコ。
あたし、このときはこのチャコを心から羨ましく思っていた。
こんな悩み、経験者にしか、わからないでしょ?
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