彩―IRODORI―
それから、チャコと斎藤くんはどんどん仲良くなっていった。
きっと、話のツボも合ったんだと思う。
好みも似てたのかもしれない。

「昨日、ナオトがね…」

斎藤くんのことを下の名前で呼ぶようになった。
でも、あたしたちみたいな感じじゃない。
ピュアで、多分一緒にいられるだけで満足してるって感じ。

「頑張ったのねぇ、松野サンも」

レイカが言った。

「羨ましい?」
「ちょっと、ね」

レイカはあたしの考えてることを見透かしてるみたい。

「アヤちゃんって結構不器用なのねぇ」
「恋はちゃんとしてるよ」
「でも、満足してないでしょ」

図星だ。

「だから、松野サンと斎藤クンが上手く行ってるのが羨ましいんでしょ」
「レイカにはかなわないなぁ」

レイカは笑った。
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