契約結婚はつたない恋の約束⁉︎
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近鉄電車の橿原神宮前行きの急行が高◯原駅に到着し、西大寺方面行きのホームに降り立った栞は、駅前のロータリーに向かった。
何台か駐車していた車の中にTOMITAのハイブリッドカー・アワアが停まっていて、すでに佐久間の妻が外に出て待っていた。
彼女が何度か夫の研究室を訪ねた折に顔は見知っていたので、栞はあわてて小走りで駆け寄った。
「……す、すいませんっ!」
ブラックマイカのアワアのドアにもたれ佇んでいた佐久間の妻が、栞の姿を認めるとサングラスをくいっと額の上に押し上げた。
「あわてなくていいのよ。あなたがうちの夫が言ってた方ね?佐久間 しのぶです……よろしくね」
彼女はそう言って、美しく微笑んだ。
一六〇センチの栞とはさほど変わらない背丈なのに。エポカのボウタイのシャツブラウスとやわらかい素材のフレアパンツは何気ないものなのに……しのぶは、いかにも洗練された「都会のオンナ」に見えた。
「は、はい、そうです……八木 栞です。
こちらこそ、よろしくお願いします」
栞はG◯で何気なく買ったTシャツとデニムパンツの自分が、とたんに恥ずかしくなった。
『「面接」と言ったって、ハウスキーパーをしてくれる人を探しているわけだから、服装は動きやすいものでいいらしいよ。大学に通うときみたいな格好でいいんじゃない?』
と言った彼女の夫を、栞は恨んだ。
近鉄電車の橿原神宮前行きの急行が高◯原駅に到着し、西大寺方面行きのホームに降り立った栞は、駅前のロータリーに向かった。
何台か駐車していた車の中にTOMITAのハイブリッドカー・アワアが停まっていて、すでに佐久間の妻が外に出て待っていた。
彼女が何度か夫の研究室を訪ねた折に顔は見知っていたので、栞はあわてて小走りで駆け寄った。
「……す、すいませんっ!」
ブラックマイカのアワアのドアにもたれ佇んでいた佐久間の妻が、栞の姿を認めるとサングラスをくいっと額の上に押し上げた。
「あわてなくていいのよ。あなたがうちの夫が言ってた方ね?佐久間 しのぶです……よろしくね」
彼女はそう言って、美しく微笑んだ。
一六〇センチの栞とはさほど変わらない背丈なのに。エポカのボウタイのシャツブラウスとやわらかい素材のフレアパンツは何気ないものなのに……しのぶは、いかにも洗練された「都会のオンナ」に見えた。
「は、はい、そうです……八木 栞です。
こちらこそ、よろしくお願いします」
栞はG◯で何気なく買ったTシャツとデニムパンツの自分が、とたんに恥ずかしくなった。
『「面接」と言ったって、ハウスキーパーをしてくれる人を探しているわけだから、服装は動きやすいものでいいらしいよ。大学に通うときみたいな格好でいいんじゃない?』
と言った彼女の夫を、栞は恨んだ。