オレ、キューピッド
キューピッドあらわる

逢坂結人

今日は特に何の予定もなかったから昨日の夜からずっとゲームをしていた。
定期的に家の中をパトロールしてるかーちゃんに
『どんだけゲームしてんの』
って怒られちゃって。
そんなんばっかりしてるんだったらとなりんちのお手伝いでもしてきなさいって追い出された。

お隣さんはひとり暮しのおばあさんで、うちのばーちゃんは俺がちっちゃい頃に亡くなってるんだけどかーちゃんはお隣さんにばーちゃんのこと重ねてるっぽい。
だから普通のご近所さんよりも付き合いがあった。

最近お隣さんは足を怪我しちゃったらしくてかーちゃんは心配だから何かお手伝いでもしてきなさいって、いつも言ってるんだ。

『ういーす』
『ああ、ゆうちゃんありがとねぇ』
『全然!かーちゃんに言われただけっすから!』
『ほんとにいつもみっちゃんには助けられてるわ。ありがとねぇ』
『いえいえ!みちこも好きでやってますから』
『ふふふ、そういってもらえると嬉しいわ』
『はい、お使いこれで合ってるよね?』
『ああ、大荷物で大変だったでしょ。ごめんねぇ』
『もー、たいしたことないってぇ!冷蔵庫入れちゃうよ』
『ありがとねぇ』
< 1 / 63 >

この作品をシェア

pagetop