きっと二人は恋に落ちる
八重君
「今から席替えをしますので、くじを出席番号順に引いてくださーい」

という先生の声と共にクラスがうるさくなる。


「永笑!引きにいこ!!」

「あ、うん!」


この子は須崎 美里。名前通りすごい美人で私の小さい頃からの親友。

「永笑は、誰の隣狙う?」

「私はー、誰でもいいかなぁ。」

周りをみわたすけど正直誰でもいい。

「美里はねぇ、イケメンがいいなぁ」


「運に任せるよ」

周りを男子は美里のことをチラチラ見ている。皆美里と隣になりたいのか。

いよいよ私のばん。いいのでろ!私は願いながらくじを引いた。

「四番?だれ?」

「わからん。誰かな?美里は?」

「私はラッキーナンバー七番!こりゃあ、イケメンがくるわ!」

「くるといいね笑」

このクラスにイケメンなんているか?? 

「皆ー、番号順に前から座っててくださーい!」

一番の人が座ってて私のばんになった。

あ…。八重君だ。

「永笑さん?宜しくね。」

「あ、宜しく。」

それから全員の席が決まって皆いろんな反応をしている。

キーンコーンカーンコーン。チャイム、ナイスタイミング。  

 
「とーわーぁー!!!!」

「どしたの、美里。」

美里は元から大きい目を更に大きくして私のことを見てきた。

「どしたのじゃないでしょ!なんで永笑の隣がイケメンなのよ!」

窓際で男子と話す八重君を見る。そこまでイケメンかな?

「そんなん知らない。美里は誰の隣?」

「私は冴木よ!冴えないずーっとぼーっとしてる木!」

冴木君は、確かにぼーっとしてるけど冴えないかな?私はあの分厚いレンズの眼鏡を外せばイケメンだと思うけど。

「眼鏡外せばイケメンかも。」

「そんなんの、マンガノ世界よ!!」

「諦めな。」

美里はぐしゃりと座り込みんで「私のキラキラスクールライフがぁぁぁ。」と、叫んだ。

私はひたすら「どんまい。」と、肩を撫でた。



キーンコーンカーンコーンという音と共に美里は渋々と自分の席に戻っていった。

私の隣の八重君は静かに本を読んでいた。こうしてみると結構イケメンかもしれなくもない。

「どうしたの?俺の顔なんかついてる??」

「あ。ちが。なんの本をよんでいるのかなぁと、」

みとれてた。なんていえない。

ん?私はみとれないからね、心の口が滑った。

「これ?聞いて引かない?」

「引かないよ。」

引かないってなにさ。なんかエッチぃもんかな?

「うーんとね、恋愛の本なんだけどね、女物なんだ。」

「女物なんて読むんだね。」

八重君は首をかしげながら「引いた?」と、言っきた。

正直言うと少し引いたけどエッチぃものよりはましだから「ううん、引いてないよ。」と、言っといた。

「良かった。この本すごく面白いんだ。読み終わったら貸す?」

「いいの?じゃあ、お願い。」

「うん!わかった。」と、言って八重君はまた女物の本を黙々と読み始めた。

別に貸してもらわなくてもいいけど男子が面白いと思う女物の小説ってなにさ。



私は、八重君の読む女物の小説が気になってあまり授業に集中できなかった。
















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