恋と、キスと、煙草の香り。

「じゃあな、環」

午前4時。
私たちはいつものようにホテルの前で向かい合い、新が私の額にキスをする。

「うん、またね新」

彼は軽く手を降り、あっさりと私に背を向けて歩き始める。
甘い夜なんて、嘘だったように。

つぎに会えるのはいつかわからないのに、私はいつまで待てばいいの?


伝えたら駄目。
でも、もう待てない。
彼が好き…


私はその日、彼の背中を追いかけた。
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