クールなサイボーグ部長の素顔
送別会にて ~アラサー女子のやけ酒~
本日は、年度末の最終の金曜日。

我が部署では毎年この日は年度替わりで移動する人々の送別会が開かれる。
毎年の恒例行事。
毎年同じ店の同じコース。
会費も内容も分かりやすいので、忙しい営業部の我々は毎年のルーチンのようにこの飲み会を開催している。

そんな送別会で、珍しくやさぐれてやけ酒煽ってるのが、私、伊月千波の現状である。

なぜかといえば、私三年付き合った彼氏につい先日振られたのだ。
しかも、振られ文句については異議を唱えたかったが、奴の態度を見てもう、言うこともやめたが、腹にはその気持ちが溜まりっぱなしだった。

それを、この飲み会で会費の元以上に取ってやると息巻いてのやけ酒だ。

可愛さの欠けらも無いが、それが私だ。
仕事の出来る、サバサバしたバリキャリ。
それが、職場での私のイメージであり、事実そうであるようにひたすら私自身が頑張ってきた。

そのおかげもあり、営業という男性の多い環境の中、二十七歳で主任についている。
アラサーと呼ばれるこの年まで、彼は居たものの仕事への比重が大きかった。
その結果、主任にはなったが彼氏は去っていったと言うわけだ。
私なりに、彼との時間も大切にしていた。
しかし、最後に奴はこう言ったのだ。

「千波は俺がいなくても仕事があればいきてけるでしょ?俺は仕事の次だろ?かっこいいけど彼女や結婚する相手としては無理だわ」

そう言われた時の心境?
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