あなたがすきなアップルパイ

 こんな甘いお菓子のような順風満帆な生活がこれからも続くんだと、どこかで願っていた。
 
 
 
 
 これからも彼と二人で仲良く暮らして、
 
 
 甘い幸せを届けるこの仕事を続けて、
 
 
 仕事終わりに彼の大好きなアップルパイを一緒に食べて、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 けれど、目を閉じてそばで彼を感じている一瞬も、
 
 
 今日は昨日になって、明日は今日になって……。
 
 
 
 
 
 
 遠い未来は、ゆっくりと歩み寄ってくる。
 
 
 
 
 
 
 どんな物語にも、やがて終わりが来るのだから……。
 
 
 
 
 
 
 
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