ー 君の落とし物は空へ続いてる ー

大切なモノを無くした日

放課後……


「歩夢、帰ろう」


俺に声かけたのは、誰でもない椎名。


つか、先輩とはいいのかよ。



「先輩とは、帰らないの?」


「先輩、委員なんだ。帰ろう?」



あっさり引く椎名に、首を傾げた。 



「本当に委員なのかね」


少し意地悪言ってみた。



「私は先輩を信じる」



そう言って笑った。



いつもの椎名の笑顔だ。


< 16 / 85 >

この作品をシェア

pagetop