ー 君の落とし物は空へ続いてる ー
熱がある?なんて聞かない。


分かってる。


お前と何年一緒にいると思ってるんだよ。



「早見先輩……これなんでッ」



戸惑う椎名が、顔を赤くしながら見上げる。


「一目惚れしちゃった。



なあ、椎名。


彼女になって」



何人、そう騙してきた?



そう、感じさせるほど軽かった。



だって、そうだろう。


こんな人がたくさんいる中で、大胆に告白して。


断れない状況を作る。


嫌いなタイプだ。
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