ー 君の落とし物は空へ続いてる ー
私は、歩の顔を見た。


ジッ、と私を見る歩の頭を撫でた。


「またね、歩。

元気でね。パパと仲良くね」


歩は、私の宝物。

それは一生変わらない。



ずっと変わらない。



私は、後ろを振り向かない。


振り向いたら泣きそうなの。


別れられなくなるの……。



だから、前だけを見て進む。


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