ブレイン・ハイジャック【ゾンビホラー】
 途端に体育館はパニックになり、俺たちもどうしていいか解らなくなった。

 ただし、ゾンビは殴ってダウンさせる。

「クロド! こっちだ!」

 モリスの声に早苗の手を握って一口とそっちに向かう。

「なんやねん!」

「お。出たな、関西弁」

 よほどでなければ出身の言葉は出なくなっていた俺だが、これ以上に「よほど」のことはないだろう。

「ここはもうだめだ。行くぞ!」

 頼もしいモリスに誘導されて外に出る。

「見張り。見張りは何をしていたんだ」

「わからない。今は安全な場所に避難だ」

 ショットガンを手にしたモリスが先を進む。

 弾が勿体ないのか、ショットガンのストックでゾンビを殴っていくモリスが格好いい。

 逃げる最中に俺は、視界に入ったものに眉を寄せた。

 あれは一体、なんだったのだろうか。
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