This Is Love Story
半ば無理やり腕を組まされて、二人並んで店内に入る。
内装もレトロでとてもお洒落だ。
店内を見渡すと、奥の四人席に座る1人の派手な女の子と目が合う。
うわー…すっごい睨まれてるんですけど…。
最悪……。
組んだ腕を軽く引いて佑を睨むと、何故か睨まれた本人は嬉しそう。
「ちょっと……こんな時に何笑ってんの?」
「…いや、気にすんな。」
軽く咳払いをして前を向く佑だけど、それでもまだ横顔はかすかに笑っている。
姉が今にも殴り殺されそうな勢いで睨まれてるっていうのに……。
なんて薄情な弟なの…?
佑への不満は募るばかりだけど、今この状況が私にとって恐怖であることは変わりない。
組まれた佑の腕をギュッと抱きしめるように
して、なんとか彼女の鋭い視線に耐えた。