This Is Love Story
私の怒声と同時に、無数のバイク音が響き出す。
助けが来てくれた!?
私は部屋の小さな窓から、外を覗いた。
私の目に映るのは、無数のバイクの灯り。
一人一人の顔はよく見えないけど…
前照灯に照らされた男達は、白い特攻服の集団と黒い特攻服の集団に分かれていた。
私は、直感的にそれが「覇王」と「龍王」だと理解した。
よかった…
みんなが助けに来てくれた。
一人で安堵のため息をつく。
「…このクソ女……。
ここまで俺を怒らせておいて…
お前、ここから無事に帰れると思うなよ?」
私に蹴られた腹部を押え立ち上がる郷田の目つきは、先程までのものとは全く違った。
殺気に満ちたその目に、私の脳は全神経に危険信号を出していた。
奴の右手には、何処から出てきたのかサバイバルナイフが握られていて…。
やばい…
私、今日死ぬんだな…
私は、すべてを諦めてそっと目を閉じた。