This Is Love Story
「あぁ。わかってる。」
お前は俺の敵だ。
そして、何故かお前たちにとっても、俺は〝裏切り者〟なんだろ?
ここまで俺たちの関係が拗れた原因は、あの日の出来事。
あの日の真相が分かるまでは、お互いに和解なんてできないだろう。
『準備が出来次第、すぐ向かう。』
「あぁ。頼む。」
結衣…待っててくれ。
すぐに助けに行くから。
俺は唐沢昴との通話を終了し、若頭補佐の虎太郎(コタロウ)に話しかける。
「虎太郎。今から唐沢のお嬢を助けに行く。」
「…唐沢のお嬢?何かあったんスか?
え、それより…なんで若が───…」
「─────いつでも動けるように準備しといてくれ。」
組の人間は、俺と結衣の関係を知らない。
訳が分からず首を傾げる虎太郎に、丁寧に説明している時間は今はない。
俺はその一言だけ伝えて家を出た。
待ってろ、結衣。
すぐに助けに行く。