This Is Love Story
「ありがとうございます!」
俺は祥さんに一礼すると、唐沢兄弟が乗り込んだ車に駆け寄った。
そして後部座席の窓を叩く。
「…何のつもりだ?」
下げられた車窓から顔を出した唐沢昴。
そしてその横には、唐沢佑の腕に優しく抱かれてぐったりとする結衣がいた。
その痛々しい姿に、胸が締めつけられる。
「…結衣の傍に居させて欲しい。頼む…。」
俺は二人に向かって頭を下げた。
結衣が苦しんでいるなら、傍にいてやりたい。
俺には結衣の怪我を治すことも、代わりに痛みを感じてやることもできないけど…
ただ手を握って、声をかけて…