白き桜と黒き神
?「ねぇねぇ!二人とも美形だよね!良かったら仲良くしよー?」


前の席のチワワみたいな…ちまっとした男に話しかけられるけど、私も怜治も聞いてないかのように無視を決め込む


?「…え、ねぇ、聞こえてる?おーい!?」


?「お前、嫌われてんじゃね?諦めろちびっ子笑」


それでも諦めず話しかけてくるチワワにちょっかいをかける…オレンジ頭。


うるさいんだけど…静かにしてくれないかな…


?「ねぇ、桜雨ちゃーん?怜治くーん?」


その言葉に私も怜治も眉間にシワを寄せると睨みつけるようにチワワに視線を移す


「…気安く桜雨の名前を呼ぶな…殺すぞ…」


怜治は殺気を漏らしながら低い声で脅しながらチワワを睨む


…それより、怜治の名前を呼んだことを怒ってよ…怜治の名前を呼んでいいのは私だけ…いや、私達だけなんだから。


怜治は私の眉間のシワの原因をわかっているのだろう。


ちらりと視線をこちらに流し、するりと頬を撫で少しだけ微笑むとチワワ達に視線を戻しキツく睨みつける


「…あと…俺の名前を呼んでいいのは桜雨だけだ。…気安く呼ぶな。」


見苦しい嫉妬?醜い独占欲?


どう思われようと構わない。


私には怜治とあの子達がいれば他には要らないから。他になんて思われようと構わない。


向けられた殺気にそいつらは怯んだ。


?「お、お前達!!!!!!!俺らが誰かわかってて言ってんのか!!!!!!!」


あーあ、弱い犬ほどよく吠える。


分かってて言ってるに決まっているのに。馬鹿なのだろうか。


私達は…アンタらを探してここまで来てんだから。



?「俺達はな!!!!!!! ───」


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