白き桜と黒き神
教科書の入っていない薄いカバンを持ち上げて肩にかける


怜治が手を差し出すから首を横に振るとふっと微笑まれて手を繋がれた


その手の温かさにほっとして知らず知らずに力の入っていた肩がすっと下がった


?「れーちゃんとさーちゃんは仲良しなんだねぇー」


…チワワって、学習能力低かったっけ?


しかも、いつの間にれーちゃん、さーちゃんになったの…


「…僕は桜雨のモノですので。」


…その言い方、ちょっと誤解を生みそうだから嫌なんだけどなぁ


しかも、敬語だし。…警戒してるなぁ。


まぁ、私だってしてるけど。


?「え、なにそれ。…逢坂に飼われとるとかそんな感じなんか!?」


飼うとか…犬や猫じゃないんだから。


「…」


怜治は眉間にシワを寄せるだけで否定も肯定もしなかった


きっと不愉快だったんだろう


そんなバカみたいな会話をしているうちに校門まで来たけど…


なんでこんな所にこんな高級車が停まってるのよ…


なんて思っていたら閽人幹部達はその車に乗り込み始める


…はっきり言って乗りたくない。


「…桜雨。」


繋がれた手に少しだけ力を込められ怜治を見上げると怜治の瞳は暗に「桜雨が望むならこいつらを排除するよ?大丈夫?」って語りかけてきてる。


…待って、まだ復讐始まったばかりだから落ち着きなさい。


まぁ、こんな感じのグダグダ具合で復讐は進んで行くと思うんだけど…


…大丈夫かな…なんとかなるか…
< 26 / 34 >

この作品をシェア

pagetop