ふたりの彼女と、この出来事。 (新版)

二人

 次の日。

僕はミライと、所長のマンションに遊びに出かけた。

「こんにちは、愛ちゃん舞ちゃん」

玄関に出てきた二人にごあいさつ。

「こんにちはー」

「こにちわあー」

ニッコリ笑顔で返してくる二人。

「今日ねえ、ハンバーグ作るんだよー」

と楽しそうに見上げてくる愛ちゃん。

「自分たちで作るの?」

「うん。おねえちゃんたちもいっしょにハンバーグ作る?」

「ハンバーグちゅくる?」

目を輝かせてふたりが聞いてきた。

これで断るわけがないよ。

うんと頷いて返す。

「ハンバーグー、作りましょー」

「ハンバーグー、ちゅくりましょー」

歌いながら奥へ飛び跳ねていく二人。

それからみんなでハンバーグ作りに精を出した。

ダイニングテーブルの上で、椅子に立つ二人と一緒に肉をこねて、流し台ではミライと奥さんが付け合せの野菜とソースを作って焼き上げる。

そうしてみんなの共同作業で、大小様々の大きさのハンバーグが出来上がった。

そこにはミライの分もある。

どうするんだろうこれ…。

「それじゃあ、畳のお部屋で三人で食べましょうねー」

と二人に声を掛ける奥さん。

(なるほど、分かれて食べるわけか)

ちょっと強引だけど。

「ねえねえ、どうしていっしょに食べないのー?」

さすがに愛ちゃんは不満そうだ。

「おねえちゃんたちはね、ふたりっきりで食べたいのよー」

奥さんが言い訳すると、愛ちゃんが大きく頷いて返してきた。

「そっかー。パパとママもときどき、ふたりっきりでなかよく食べてるもんねー」

声を上げてお皿を持って隣の和室へと駆けていく愛ちゃん。

ミライの分の皿をそっとしまい込む奥さんが少し照れくさそうにしてる。

(今でもラブラブなのか。やるなぁ所長)

所長らしい一面をみせてもらいましたよ。
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