ふたりの彼女と、この出来事。 (新版)

ココロ

 週末。

部屋からはなるべく外へ出ないようにしてる。

(大騒ぎになるのは目に見えてるしな)

とても出る気になんてなれないよ。

「それじゃ、お疲れ様でした~」

夜になって、一日中付きまとったテレビ局の人たちを見送って鍵を閉める。

(フ~ッ)

部屋に戻ってソファに直行。

ドサッと倒れこむように腰掛ける。

(何でこんな事になっちゃったのかな…)

カメラが無けりゃ、こんなに憂鬱な事にはならないのに。

あの記者会見が無ければ。

あの事故が無ければ。

そう、そもそもミライが僕の所に来なければ。

(広海君とこじれる事もなく…)

今でも彼女と上手くやっていただろうに。

(断っていればよかった、のか)

いやいや、

(あの所長の事だしな)

僕がどうゴネたって僕に押し付けていったに違いない。

とすると、どうすれば良かったんだ?

(バレずに終わっていれば…)

ミライとの実験期間を無事に過ごせていたら。

(少なくとも僕から全てを打ち明けられていたハズ)

それならまだ良かったんだよ。

(全部狂ったんだ、あの事故で)

ロイの事故が起こったせいで騒ぎになって、ミライの事までバレた。

(ロイがいなかったら…)

なんでロイが完成したんだ?

(それは、)

所長がココロのヒントに気付いて、出来たココロを組込めたから。

(という事は)

事故が起こったのは、感じるココロのヒントを気付かせた、その手助けをした、

(僕のせいってコトか…)

感じるココロが出来なければ。

ロイが完成する事も、あんな事故が起こる事も、ミライの正体がバレてしまう事も。

(そうだよ、)

広海君が怒って出て行ってしまう事も無かったんだよ。

(何でこんな事に…)

ん、ダメだダメだ。

考えがネガティブになってる。
< 274 / 321 >

この作品をシェア

pagetop