【短編小説】高校生昇華物語
「…」

どうしよう。

どうするべきなんだろう。

どうしたらいいのだろうか。

この場合。


男の子は私をまっすぐに見据える。

「どうするんだ」というような目で。


決める。

私には、上っ面だけの仲間はいても、味方など存在しない。

どうすることもできない。


無理だよ…

泣きそうな顔で男の子に殴りかかる。


すると、男の子は竹刀を置いて私の右手を左手で受け止めた。

受け止め、もう片方の右手で頭を掴んできた。

「…!」


そして私の顔を自分の顔に近づけて

「そんなへなちょこパンチお求めじゃねーんだよ」

と、言い放ち、私を突き飛ばした。


いきなり顔を近づけられ、ちょっとドキドキする気持ちがあったりなかったりで、顔を近づけたことにより、「意外と顔整ってる」とか「思ったよりまつげが長い」だとか思ったり思わなかったりで言われた瞬間は何言ってるかわからなかったけれど、ようやく正常に言葉を理解した。

しかし、意味は尚まだ理解できない。

というか私は結構な危機的状況下で何を呑気なことを思っていたのだ。


周りの宇井たちはこれに乗じ、男の子を襲ったが、男の子は竹刀を持ち直し、さっきと同じような結果になったようだ。


「お、おい! 撤収するぞ! お前ら! あの人に教えねーと!」
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