* KING+1 *
「おい 起きろ。いつまで寝てんだ?」


「う──ん、先輩…昨日私を散々潰した癖に 何でそんなに元気なんですか?今日は お店も休みなんですから、せめてゆっくり寝かせて下さい…。」


「あ?お前が 行きたい行きたいって俺に泣き付いてきたんだろ?さっさと用意しないと置いて行くぞ。どうする?」


pardon?(はぁ?)
どういう事かな?


「確かにこっちに来てから 怒涛のような忙しさで休日もありませんでしたよ。

今日やっと休みで…なのに 昨日お酒を飲め飲めと薦めたのは先輩じゃないですか?」


「お前が弱すぎるんだろ?んなことじゃ、こっちで渡り歩けないぞ。鍛えればいいだけだろ?」


「先輩みたいに ザルじゃないから私には無理。私…女の子だもん。」


「へぇ女の子ねぇ…お前には恥じらいという言葉は辞書には載ってないみたいだな?」


「え?」


ガバッ、ササッ、ゴソゴソ──


「おっ、流石に気付いたか?」


「///もう、勝手に服を脱がさないで。私、女子で大人なんです。小学生に対する扱い、酷過ぎる…。」


「朝から眺めのいい物を見せてもらうくらい減らないし サービスしろよ。」


本とは恥ずかしいけど、先輩になら見せてもいいかな?って思っている自分が信じられない────。
私の羞恥心どこ行っちゃった?


「///変態~!!着替えるから、あっちに行ってよ。」


「ここは俺のアパートだ。だから俺がいたい場所にいる。早く服を着ろ。手伝ってやろうか?」


クスクス笑いながら先輩が 布団を捲ろうとするから、必死にひっぱり布団摂取に成功。


乙女の恥じらいを少しは理解するべきだと思うんだけど、強く言えない惚れた私が立場は完璧に弱い…。


「先輩、10秒だけ目を瞑っていて下さい。お願いします。」


「1-2-3…」


先輩の主導タイミングでカウントが直ぐ始まるとか、あり得ない…


「4-5…8-9…」


数字明らかに飛んでるし、急いで上だけ服を着用して…


「もう、優しい人ってこの世にはいないのですか?神様…仏様、私、フランスにいるデーモンに取り付かれているみたいです。」


「デーモンって…なぁ、後20分後には家出るぞ。わかってるか?」


ギャー。先輩のバカ────。


私には余裕とか、ゆとりとか、癒しとかいう、類いの言葉は辞書には存在しないのであった…。いや、きっと先輩に破られてなくなったんだと思う…。



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