* KING+1 *

Ne me touche pas!

「杏果、君が悪い。可愛い過ぎるから…」



素早く距離を詰め 副社長に抱きしめられていると気付く。


「ねぇ俺のモノにならない?そしたら何でも我が儘聞いてあげれるよ。日本でもパリでも好きな国で働く事も出来る。望めば、杏果プロデュースのブランドだって立ち上げる事も夢じゃない。」



副社長、流石にそれ駄目でしょう?私には実力もないのに、ビジネス舐めてませんかね?そんなに世間は甘くない…



「副社長、今の発言に対しては意義を申しあげます。私は人から夢を与えられたくはありません。自分の力で掴みたいので。だから、これ以上私には構わないで欲しいのが、今直ぐにして欲しいお願いです。」


ちゃんと副社長の目を見詰め 私の願いはハッキリと伝えられたはず…


「///はぁ…やっぱり君は手強い。圭や凱人の気持ちが 今やっとわかったよ。」


意味不明な返事は要らないんだけど…。そろそろ私を解放してくれないかな。


チュッと盗まれた唇───


「これ位は いいだろ?」


はぁ?良くないでしょ?!


やっと離された体に、安堵した心…先輩には同じ事をされてもドキドキした行為が 何の感情も持たない人からのキスは、嫌悪感だけ。


先輩に直ぐにキスの上書きをして欲しいって思った事は私だけの秘密…今一番の願いは叶わないって事が寂しいって思った…




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