* KING+1 *
取材と撮影は先輩がいたお蔭で滞りなく進み、私は一息ついた。


「だからって…パリから来るとかあり得ないでしょ?」


「居たのか、圭。」


「私の存在はスルーね。まあ、扱いが雑なのは仕方ないとして…凱人、あなたパリは放置して来たの?」


「いや、しっかりと引き継ぎはした。」


「は?引き継ぎは誰になの?」


「ん?アリスしかいないだろ?あいつ案外出来るし、圭の仕事も無理やり引き継ぎしただろ?スタッフ補充許可しといた。」


サラッと流したけど、結局先輩がスタッフのアリスに押し付けて来たんだとわかる。


「凱人?あなた…」


「別にいいだろ?俺が決めた事だ。」


「や、あなたまだ…」


「この話は終わり。さぁ取材も終わった事だし着替えてくる。杏も早く着替えろ。あっ、着替えはこれを。」


渡された紙袋には 先輩が選んだ服が。私はにやける顔を何とか引き締め部屋を出た。


胸に先輩が用意した紙袋を大切に抱いて…


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