村人Bの、仰せのままに。



「えー、じゃあちー俺の分まで買って来て、俺ここにいるから」




「却下。しかもなんだよちーって、キモい」





私の頭の上でおそらく にへらっ と笑っている新くん。




はぁ、数日前まで人畜無害くんだったのに。



資料室での新くんとは違う意味で害人だよ、まったくもう。




そう思いつつも、今の新くんの方が人間らしくて好きだなぁと思ってしまう私は相当重症だと思う。




もしかしたら、こんなふうに話せるのも最後かもしれない。




それでも、




「新くん」



「んー」



「そろそろ頭痛いから離して?」



「やだ」




やっぱり、君が好きだから、



新くんが好きだから、まっすぐ、ぶつかってみたいから。




あの日の涙のわけを聞いて、あの日の涙なんてなかったことに出来るくらい笑顔にしたいって思っちゃったから。




利害関係が一致する、そんなの嘘だった、私に利害なんて成立しなかった。




だってそもそも、私が勝手に新くんに踏み込んだからこんな関係が出来上がってしまったんだもん。



新くんにしか利害は発生してない。




なんなんだろう、本当に。
















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