君と見た色
放課後、僕は言われた通り職員室に足を向けた。

「失礼します」

「おおっ。宮田か、すまんが少し話したい事があってな」

嫌な予感しかしない。めんどくさい事になりそうだ。

しかし先生に逆らうこともできないので、話を聞く。

「……なんでしょうか?」

「お前に少し行ってほしい場所があってな。頼めるか?」

「……行ってほしい場所……?」

僕に行ってほしい場所?見当が全く付かない。

「僕はどこに行けば……?」

「お前の隣の空席は勿論知っているな?」

「はい。えーっと確か名前が……」

「松山 夕凪(まつやま ゆうな)」

僕の隣の席の松山さんは、六月の中旬くらいから、急に学校に来なくなってしまった生徒だ。

「えっと……、彼女がどうかしたんですか?」

「あいつが学校に来なくなった理由。実は先生もよく聞かされてなくてな、特に虐められてる印象もなかったし」

「確かにどちらかと言えば、女子の中心人物的存在でしたからね」

その言葉に先生は頷きこう言った。

「だろ?だから宮田。お前松山の家に行ってくれないか?」

「……はっ?僕が?どうして?」

今世紀最大の疑問が今生まれた。

何故他の女友達なんかでは無いのだろうか。

何故僕なのか……。


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