高嶺の花

「お前のせいで、美智子(みちこ)は！！」

「お母さんが？どうしたの？」


美智子とはお母さんの名前


「お前が昨日の夜、話したんだろ！？隣の春くんのお母さんに！今度の日曜日に遊園地に行くはずだったのに、行けなくなったって！それを聞いた美智子は、『あの子のために、夜勤行ってくる』と言って、雨の中仕事に行ったよ！そしたら、道の途中でスリップした車にはねられて、今、意識不明の重体なんだよ！！！」

「嘘、嘘だ、嘘」


私は、真実を知りたくなかった

私のせいでお母さんが危ないなんて、考えたくもなかった


「嘘じゃない！！」

「ご、ごめんなさい。ごめんなさい！」

「謝って済むような事じゃないんだ！美華なんて、父さんは大嫌いだ！！！！！」

「っ！……」

「父さんは、美智子のところに行ってくる。家で大人しくしてろ」

「……はい」