アンニュイな彼
「……天然?」
「は?」
「いや、参ったな」
「え、っと。なにが、ですか?」
「刺激が強いってのはこっちの台詞なんだけど。」


緊張と照れすぎで、小刻みに震える私の両手を、先生は自分の両手で包んだ。


「ときどきすんごい焚きつけることするよネ」


そして、いつもの起伏のない言い方で、私の手を引いて膝にすとんと座らせる。


「その要望、守れる自信ねーわ」


顔を曇らせながらも、堪えるようにくっと笑った。

ベッドルームにも大きな窓があって、先生の膝に横向きの体勢で座らされた私の目に、カーテン越しの空が映った。

吹きすさぶ風はいつの間にか止んでいて、雲間から射す西日の光があまりにも綺麗で。
キラキラと降り注ぐ木漏れ日を彷彿とさせる。

先生の気だるい眼差しとあの昇降口で見ていた寝顔が、懐かしくも美しくリンして。
私は高校三年間、手が届かなかった大好きな人の首に両腕を回し、ギュッと抱きついた。



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