りせい君の理性が危うい瞬間
絶対に謝ってやんないから、と。 口を、上唇と下唇で紡いだ。
私は悪くなかった。 誰がどう見ても絶対にそう。
なのに...。
あれから数時間が経つ。
きっともう、授業なんかとっくに終わってる時間。
朝以外なにも口にしなかったせいで、お腹だって不機嫌にグゥーグゥーうるさいし、外には遅い時間まで走ってる部活生の気配すらない。
外から聞こえてくる不気味な風の音が、私の耳元に息を吹きかけるみたいに耳を刺激し、ゾクリと鳥肌が立つ。
私、いま、1人なんだ。
急に孤独が闇の中から手を伸ばし、私を包み込む。
怖かった。
1人は嫌だって。 絶対に嫌だって。
利生君よりも1人になる方がよっぽど嫌いだった。
だから、嫌いな利生君でも隣にいてくれると安心できたのに。
こんな冷たく暗い、不安を煽るような場所で1人にされたら...私が利生君を求めた意味がないじゃないか。