Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
しかし、いざ本人を前にしたら…ああ、やっぱり無理かも知れない。

心臓がドキドキと鳴り始めている。

村雨さんと夫婦になってから2週間が経過したとは言え、緊張する。

「ゆめの、どうしたんだ?」

なかなか名前を呼ぼうとしないわたしに、村雨さんが急かしてきた。

わたしのことを“ゆめの”って呼ばないでくださいな!

緊張して、どうすればいいのかわからないんです!

ああ、もう呼べばいいんでしょ!?

わたしは深呼吸をすると、
「――た、忠政さん…」
と、彼の名前を呼んだ。

は、恥ずかしい…。

恥ずかし過ぎる…。

どうしよう、気絶しそうなんですけど…。

そう思っていたら、
「その調子だ、ゆめの」

村雨さんは嬉しそうに笑ったのだった。

ドキッ…と、わたしの心臓が鳴った。
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